
5分で試せるデザインTips:文字サイズの強弱でメリハリをつける
視線は「大きい→中→小」の順に流れます。だからこそ、見出し・本文・注釈のサイズ差をはっきり付けるだけで、読みやすさとプロっぽさが一気に上がります。逆に、全部が同じ大きさだと、読者はどこから読めばいいか迷って離脱してしまう。ここでは、ケース別の黄金比と、5分でできる整え方を紹介します。
基本のサイズ比と行間
- 見出し(H1/H2):本文の1.8〜2.4倍。タイトルは余白とセットで効果が出る。
- 小見出し(H3/H4):本文の1.3〜1.6倍。本文より少し太めに。
- 本文:用途次第(Webなら16px前後、紙なら9〜10ptを基準)。
- 注釈・脚注:本文の80〜88%。読める下限を割らない。
- 行間(行送り):本文は1.5倍前後を起点に調整。
読みやすさを決めるのは「対比」と「間」
サイズ差だけでは不十分。見出し上下の余白、小見出し前の間、段落間の距離がそろって初めて階層が機能します。フォントウエイトも対比要素。本文を細めにし、見出しは太めに、数字や重要語だけボールドで拾うと、視線のリズムが整います。
5分でできる「階層チェック」
- Step1:本文サイズを決める(まず土台。Webなら16px、スライドは18〜24px)
- Step2:見出し倍率を決める(本文×2倍を起点に±0.2刻みで試す)
- Step3:小見出し倍率を決める(本文×1.4倍を起点に)
- Step4:段落間を固定(本文1行分の余白を原則に統一)
- Step5:注釈の下限チェック(読める最小サイズを割っていないか)
媒体別の勘どころ
スライドは会場環境で見え方が変わるため、本文18〜24px、見出しは大きめ。2行以上の見出しは要約して短く。
Web記事は端末幅が変わるため、見出しの改行位置に依存しないよう文言を短めに整理。
チラシは遠目の視認性が重要。タイトルは思い切って大きく、本文は行間で読みやすさを稼ぐのがコツ。
よくある失敗と処方箋
- 見出しが本文と同じ太さ:ウエイト差をつける。本文を一段細くでも可。
- 段落間がバラバラ:段落後の余白を「固定値」で統一する。
- 本文が大きすぎる:行数が増えすぎる。本文は読みやすさの下限〜標準へ。
- 注釈が読めない:本文の80%未満は危険。行間を詰めず、文字色は十分濃く。
まとめ
階層は「サイズ×太さ×間」の三位一体。本文を起点に倍率で管理すると迷いが消えます。最小限の調整でも、視線の流れは驚くほど素直になります。
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